昭和の初め頃まで目黒区には多くの竹林があり、タケノコが貴重な農産物になっていました。
「太く、柔らかく、おいしい」と評判だった目黒のタケノコですが、今はその面影はなく、区内は閑静な住宅街や商業施設に変わっています。
竹林が多かったことも関係しているかもしれませんが、目黒区は地盤が固く地震に強いエリア。
災害に強く治安がよいことから歌手の美空ひばりさんが青葉台に「ひばり御殿」を建設。
それをきっかけにして多数の芸能人が目黒区内に引っ越す、または自宅を建設するようになりました。
目黒区は芸能人との関係が深い街としても有名なのですが、目黒区のなにがそれほどまでに芸能人を惹きつけるのでしょうか?
その理由を探ってみたいと思います。
青葉台にひばり御殿が誕生して以来、芸能人がつぎつぎに目黒区に移り住み始めました。
とくに中目黒(「なかめ」とも呼ばれています)は日本を代表する大物タレントや有名司会者、アイドル、俳優、女優、歌手、お笑い芸人、歌舞伎役者、プロスポーツ選手など、そうそうたる顔ぶれの方々が居を構えています。
一軒家だけではなく高級マンションに住む芸能人もいるため、街を歩いていると芸能人とすれ違う可能性が高いのも特徴です。
ではなぜ目黒区にこれほど多くの芸能人が住んでいるのでしょうか?
高級住宅地であれば大田区の田園調布や港区の白金台、南麻布、渋谷区の松濤、世田谷区の成城学園前などいくつか候補があるはずです。
その謎を解くヒントは芸能事務所にありました。
目黒区は約40か所もの芸能事務所がひしめいています。
ほとんど聞いたことのない小さな芸能事務所や個人事務所がある一方、日本でも有数の大手芸能事務所もありまさに芸能事務所のメッカ。
中目黒では約40年以上前から芸能事務所が増えていますが、その理由は渋谷や赤坂、六本木エリア(TV局)と近く、交通の便がよいからという意見もあります。
実際に多くの芸能人が所属する田辺エージェンシーは中目黒駅まで徒歩で8分、ホリプロはJR山手線、東急目黒線、地下鉄南北線・三田線の目黒駅から徒歩3分の好立地。
ほかにも多数ある芸能事務所、それらも最寄り駅から徒歩10分以内で移動できる範囲にあり移動の便利さから目黒という場所が選ばれているようです。
目黒区内には東横線や地下鉄日比谷線、目黒線、大井町線、田園都市線、井の頭線、山手線など7つの路線が走っており、もともと交通の便がよい場所としても知られています。
都内にあるTVキー局は渋谷や港区に集まっているため、移動しやすい目黒区が好まれました。
ほかにも芸能事務所は渋谷区や新宿区に集中していますが、それらエリアも交通の便がよいことが特徴です。
目黒区はお洒落で高級なイメージがあり、家賃相場がかなり高いイメージもあります。
目黒区の賃貸物件はワンルームでも月額平均10万円と少々高いのですが、物件の立地や築年数によっては月額3~4万円の賃貸物件もあります。
芸能人といってもすべての方が売れっ子ではありませんので、下積み時代は安い賃貸アパートで過ごす…なんてことも珍しくありません。
場合によっては同期のタレント同士でルームシェアすることもあり、物件が豊富で事務所にも近い目黒区は芸能人が住むのにうってつけなのです。
もし芸能人として成功すれば、住み慣れた目黒区内の高級マンションや一戸建てに住み替えるパターンも。
芸能人が目黒区に住むのは、下積み時代から住みなれている、愛着があるという理由もあるようですね。
芸能事務所とタレントの住居が近いと、事務所側がタレントの動きに目を光らせやすいというメリットもあります。
所属タレントも事務所に近い場所に住んでいればマネージャーと連絡もとりやすく、いざというときも担当者とすぐに連携できるため安心感があります。
実際に目黒区に住んでいる方の話ですが、住んでいる部屋の近くに有名タレントの御殿があるそうです。
そのため行きつけのジムで偶然顔を合わせたり、車に乗って移動する芸能人を見ることも多いのだとか。
ただ「目黒は有名人が多いので、国民的アイドルとすれ違っても驚かない」と、住民の側も慣れたもの。
芸能人が街を歩いていると通行できないくらい人が集まってくることもありますが、目黒区は芸能人が多いため住民が適度な距離感をたもって接しています。
住民に節度があると芸能人も住民と接しやすく、住みやすいようです。
多くの芸能事務所や芸能人の自宅がある目黒区には、交通の便のよさ・治安のよさ・物件の豊富さなど選ばれるに値する理由があります。
そんな目黒区ですが、全国公示地価はどのように推移しているのでしょうか?
バブル期、全国の公示地価・基準地価総平均坪単価は平均194.4万円という異常な高騰を見せましたが、バブル崩壊後の最安値が46.3万円という信じられない価格まで暴落。
その後リーマンショック前に56.1万円まで盛りかえしましたがリーマンショック後に再び46.3万円まで暴落。
2017年になるとリーマンショック直前の56万円まで再び公示地価が高騰しています。
以上は全国平均ですが、目黒区はどうでしょうか?
目黒区の公示地価・基準地価総平均坪単価はリーマンショック前に388万円まで高騰し、リーマンショック後に313万円まで急落しました。
ただ全国平均の46.3万円と比較すると公示地価の平均値としてはかなり高く、世界的な不況が訪れても価格が大きく崩れなかったのは、目黒区のブランド力や立地のよさによるものです。
2017年には354.8万円まで公示地価が上昇しており、リーマンショック前の水準まで戻る可能性があります。
とくに公示地価の高いエリアは上目黒の719万円で、商業地域が多いことで地価が高騰しているようです(2017年の資料による)。
2017年のデータではリーマンショック前に記録した公示価格まで上昇している目黒区ですが、今後大きな経済不況が訪れても人気のある目黒区は大きな地価の下落が起きる可能性は低く、資産価値が崩れる心配は少ないといえます。
目黒区は美空ひばりさんの邸宅が建築されたのを機に、多くの芸能人が好んで住む地域になりました。
その理由にはテレビ局や芸能事務所へのアクセスのよさ、治安のよさ、高級感、住民との適切な距離感などがあげられ、安心して住める特別な場所です。
また目黒区は立地がよく住みやすいエリアなので、極端に地価が下がるリスクも低く安心して不動産購入ができるのがメリット。
芸能人御用達の目黒区は、一般の方も住んで満足できる地域なのです。
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