目黒区民センターは、長年目黒区に住んでいる方にとって馴染みのある施設かもしれません。
一方で最近目黒区に引っ越してきた方や若い世代は、どのような施設であるかわからない…と感じる方もいるでしょう。
ここ数年で目黒区民センターのさまざまな問題がピックアップされ、見直し計画をされていることから、今後大きな進化を遂げる可能性のある公共施設のひとつです。
そこで今回は、目黒区民センターの現状と問題点を中心に紹介します。
目黒区民センターは、目黒区内でも有数の大規模複合施設で、区有施設のなかで最も多種多様な用途・機能を持ちます。
区民センターを含む区有施設は昭和30年~40年代に建築されたものが多く、老朽化が進み、大希望改修や建て替えの時期を迎えています。
では、目黒区民センターの現状は具体的にどのようになっているのでしょうか?
<目黒区民センターの役割と機能>
目黒区民センターは、産業経済振興、消費生活、子育て支援、生涯学習などさまざまな区政課題に対応したサービスを提供しています。
目黒区民センター館内は、
・消費生活センター
・センターホール
・勤労福祉会館
・図書館
・美術館
このような施設が入っており、目黒区に住むさまざまな世代の人たちを支える役割を持っています。
<スポーツ・文化・イベント開催の場として利用されている>
知名度の高いさんま祭りを含む目黒区民祭りでは、目黒区民センターも会場のひとつとして使用されています。
この祭りでは、落語、和太鼓演奏、ダンスなどのイベントが開催され、多くの来場者が訪れるイベントのひとつです。
他にも目黒区内の企業の製品展示、販売で区民と地域の輪を広げることを目的とした、目黒リバーサイドフェスティバルや、平和祈念のつどいである平和記念事業においても、目黒区民センターが利用されています。
<利便性の向上やICTの発展による人との関わりが減少>
目黒区民センター内では、地域にまつわるイベントが開催されている一方、ICT(情報通信技術)が発達し人と人との関わりが少なくなっています。
平成29年に行われた第45回目黒区世論調査では、地域活動の参加有無と希望において、
・よく参加する、参加したことがある…30.5パーセント
・参加したことがない…66.9パーセント
上記の結果になりました。
参加したことがない理由としては、参加したいと思わないと回答した人が34.7パーセントと最も多く、地域への関心度の低下が課題となっています。
上記で紹介した目黒区民センターの現状をもとに、平成29年6月から、目黒区区有施設見直し計画が検討されています。
平成30年度には目黒区民センター見直し検討に係わる課題整理が行われ、見直しの実施に一歩ずつ進んでいる状態です。
ここからは、2020年4月現在の目黒区民センターの主な問題点をピックアップします。
<築45年以上経過による老朽化>
一般的に建物は建築後30年程度のタイミングで、大規模改修が行われますが、目黒区民センターは築45年以上経過しているものの、大規模改修は行われていません。
・屋内プールの壁面のひび割れ
・ナイター施設の照明の塗装はがれ
・雨水。給排水配管の老朽化による地下の水漏れ
などといった老朽化による不具合が多く見つかっており、明らかな劣化が確認、報告されています。
また、昭和49年に竣工された目黒区民センターは、昭和56年に制定された新耐震基準を満たしておらず、耐震性にも問題があると指摘されています。
<浸水時の対策不足>
目黒区民センターの敷地は目黒川沿いに位置し、目黒区水害ハザードマップによると敷地周辺は0.2m~2.0m浸水する恐れがあると示されています。
区民センターの施設内は、地下に電気、機械設備、非常用発電機と蓄電池が設置されているため、浸水時にこれらの設備が被害を受けてしまうと、区民センター全体が使用できなくなる可能性があるのです。
このような問題点がありながら、浸水被害の可能性に対して、止水板の設置などの対策は取られていないのが現状です。
<バリアフリー施設として対応していない>
子どもからお年寄りまで、障害者を含めたすべての方に利用しやすい施設であるためには、バリアフリーへの配慮が必要となります。
区民センターが設計された1970年代前半は
・高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年制定)
・「高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例(東京都 平成15年制定)
などの決まりが定められておらず、バリアフリーへの配慮と制度が整っていません。
エレベーターの不足や、階段・段差が多いなどの課題が多く、お年寄りや障害者にとって不便な場所がいくつもあるのが現状です。
<効率的に施設が運営できていない>
目黒区民センターでは、グループやサークル活動、会議、文化教養を学ぶ場として貸室が提供されています。
貸室の利用には制限が設けられておらず誰でも利用ができますが、平成25年度~平成29年度の5年間の貸室全体の利用率は40パーセント以下です。
他にも卓球室が20パーセント前後、洋弓場が8パーセント~13パーセント前後など、利用率が低いことがわかります。
これらのことから、各貸室の利用が効率的に行われていないことが問題点といえるでしょう。
ここからは区民センターや公民館といった公共施設が、どのような施設であるべきかを紹介します。
目黒区を含む23区、東京都内の区民、市民にとってよりよい施設になるには、どのようにすればよいのでしょうか?
<すべての区民にとってやさしい公共施設であること>
目黒区民センターに限らず、区民センターは子ども、お年寄り、障害者を問わずすべての区民にとって使いやすくやさしい公共施設であることが重要なポイントです。
周囲の企業や流入してきた若い世代にも利用しやすく、目黒区の地域コミュニティを活性化させる計画も必要となるでしょう。
上記で紹介した、目黒区区有施設見直し方針を勧められれば、今後大きく変化していくでしょう。
<助け合いの場となる区民センターであること>
区民センターは、生活での困りごとを解決したり、子どもが安心して遊び学べる場所だったりと、幅広い世代区民が「区民センターがあって助かった」と思える場所になるのが、区民センターのあるべき姿と考えられます。
災害時には避難場所としての安全で過ごすために、電気や備蓄物資の確保や、耐久性の高い建物でなければいけません。
施設の大規模改修、建て替えをすることにより利便性が向上しますが、見直し計画の決定から工事実施までは多くの時間がかかる可能性があります。
<目黒区民センターへのアクセス>
目黒区民センターには、公園、図書館、美術館があるので、お子様とのおでかけにもぴったりです。
目黒区民センターの住所:目黒区目黒2丁目4番36号
電車でのアクセス:JR山手線・東急目黒線・東京メトロ南北線・都営三田線…目黒駅から徒歩10分
バスでのアクセス:東急バス…権之助坂バス停から徒歩5分または田道小学校入口バス停から徒歩2分
目黒区民センターの駐車場は台数が限られているので、できるだけ公共交通機関の使用をおすすめします。
今回は目黒区民センターの役割と現状、問題点について紹介しました。
目黒区は以前より活気のある区のひとつでしたが、近年では高層ビルの建築や、いくつかの企業が本社を構えるなど人の流入がさらに増加しています。
目黒区民センターが時代を作り新しい世代にも使いやすい公共施設になれば、目黒区におけるイベントの知名度や区民の親しみも増えるでしょう。
今後の目黒区民センターにおける進化と利便性の向上は、目黒区の魅力をさらに高める重要な局面になりそうです。
要チェック| 目黒区 戸建一覧
要チェック| 目黒区 土地一覧
要チェック| 目黒区 マンション一覧