不動産を契約する際に知っておきたいのが「万が一の場合」です。
なかには、「購入を検討中に他の良い物件を見つけてしまった」という理由で契約を解除したい方もいるでしょう。
そんな「契約解除をしたい」「違約金は発生するのか」などの疑問や不安について、本記事では解説していきます。
不動産売買を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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弊社へのお問い合わせはこちら不動産契約後の解約について①手付解除とは
不動産は、一度契約をするとどんな理由でも解約は不可能なのでしょうか?
なかには「契約後に良い物件を見つけてしまった」「解約したいけれど違約金が心配」など、不安に感じている方は少なくありません。
事前に知っておくことで安心して契約でき、万が一の場合でも対処ができます。
ここでは、不動産契約後の解約についてご紹介します。
手付解除なら解約可能
そもそも手付金には3つの種類があります。
3つの手付金のうち、不動産を契約した後でも解約できる手付金が「解約手付」です。
そして、この解約手付を支払って契約解除をすることを「手付解除」といい、手付金を放棄することで契約解除が可能になります。
もっとも一般的な解約方法であり、とくに解約理由を報告する必要もないため比較的安心して契約の解除ができます。
しかし一方で、「契約の履行」というものがあります。
契約の履行とは、契約の内容が実現して債権や債務が消滅することで、たとえば、売主の「所有権移転登記」や買主の「中間金の支払い」などを指します。
売主か買主のどちらか一方がこれらに着手すると、手付解除は認められないため、どうしても解約したい場合は違約金を支払って解約することになります。
ただ一般的には、手付解除であればどのような理由であっても解約ができます。
手付解除は特約により期日設定ができる
手付解除は、相手方が契約の履行に着手しない限り対応してもらえます。
しかし、なかには「手付解除ができる期日を決めたい」という方もいます。
当然、期日が過ぎると解除できなくなりますので注意が必要です。
期日は、あくまで合意により決定することになりますが、一般的には以下のように定められています。
●契約から決済までが1か月の場合:残代金支払日の1週間前から10日前まで
●契約から決済までが1~3か月の場合:契約日から1か月前後
●契約から決済までが4~6か月の場合:契約日から2~3か月前後
ただし中間金を支払う場合は、手付解除期日を支払日以降に設定してしまうと、のちにトラブルに発展する可能性があります。
トラブルを避けるためにも、期日を設定するときは慎重に決めましょう。
仲介手数料は返ってくる?
手付解除をした場合であっても、契約は成立しているため、仲介手数料を支払う義務がある点に注意しましょう。
しかし、「手付解除=最後まで取引が完了していない」という考えで、すでに支払った仲介手数料を返金する不動産会社もいるでしょう。
どちらが正しいということはなく、不動産会社によって解釈が異なると考えておきましょう。
手付金には3種類ある
手付金には、解約手付の他に「証約手付」と「違約手付」が存在します。
証約手付は、契約を締結したことを証明するための手付金です。
違約手付は、当事者に契約違反があった場合に、相手方がペナルティとして没収できる手付金です。
不動産契約後の解約について②違約解除とは
不動産契約で支払う手付金には、3つの種類があることがわかりました。
そのなかでも、違約手付にかかわる「違約解除」についてご説明します。
手付解除と違約解除の違い
この2つには「解除理由」に大きな違いがあります。
手付解除では、契約の履行に着手されていない、もしくは期日が決まっていない場合に解約ができますが、違約解除は、相手方の債務不履行が発生した場合に、被害を受けた側のみが解約できる点が両者の大きな違いです。
前者は自身の意思で解約できますが、後者は違反した本人からの解約はできません。
同じ手付金でも内容は違うため、間違えないようにしましょう。
違約解除と違約金は異なる
「違約解除」と「違約金」も間違いやすい言葉でしょう。
違約金を支払えば違約解除できるわけではありません。
被害を受けた側は、契約の履行を求めるか、契約を解除し違約金を請求するか、どちらか選ぶことができます。
また、不動産契約における「違約金」は、一般的に以下のように決められています。
●売買代金の2割程度
●手付金相当額
●売主が宅地建物取引業者の場合は売買代金の10分の2が上限
不動産契約後の解約について③特約を設けよう
自身の都合で契約後に解約する場合、支払い済みの手付金は返金されません。
それどころか、違約金が発生することもあります。
しかし、解約について特約を設けている場合は対応が異なります。
たとえば、ローン特約を設けている場合は、万が一ローンが不成立でも契約を白紙に戻すことが可能です。
ただし特約には、「条件型」と「解除権留保型」の2つのパターンがあります。
ここでは、不動産売買契約後でもできる、特約を利用した解約についてご説明します。
ローン特約
ローン特約については先ほども述べたとおり、条件型と解除権留保型の2つに分けられます。
「条件型」は、買主がローン承認を受けられなかった場合に自動的に白紙解約となるのに対して、「解除権留保型」は、解約する旨を買主が期日までに通知しない限り解約にはならないというものです。
ですから、契約をする際にはどちらで特約を設定しているか確認しておきましょう。
ローン特約は、トラブルも多いので注意しなければいけません。
条件を明確にすることで、安心して契約できるでしょう。
たとえば、解除権が発生するための具体的条件や、その際の売主もしくは買主の義務などが挙げられます。
ローン特約の期限は、「契約締結から2週間」とすることが多いようです。
しかし最近は「1か月」とすることも増えてきており、延長の依頼も可能です。
買い替え特約
契約後でも解約できるもうひとつの特約は、「買い替え特約」です。
買い替えで新居の売買契約を締結する際に設ける特約で、買主と売主の間で取り決めがされます。
この特約があることによって、万が一期日までに現在住んでいる家の売却ができない場合に、新居の売買契約を白紙にすることができます。
手付金も返金されるため、自宅の売却に不安がある方はこの特約を設けておくと安心でしょう。
買い替え特約には、以下のようなメリットとデメリットもあります。
利用する前に知っておくと失敗しにくいでしょう。
メリット
●費用負担を抑えて物件を確保できる
●焦らず売却活動ができる
ただし、ダブルローンになったり、マンション管理費の支払いなどと被った場合は、費用負担が大きくなりやすいので要注意です。
デメリット
●承諾してくれる売主が少ない
買主にとってはメリットになりやすい買い替え特約ですが、売主にとっては白紙解約になるリスクがあるためなかなか承諾してもらえないことがあるでしょう。
まとめ
不動産売買契約後の解約についてご説明しました。
スムーズに不動産を購入できるのが一番ですが、万が一の場合のことも考えておく必要があります。
とくに契約後の解約については、手付金の種類や解約できる条件、設定しておくと良い特約などをしっかりと把握しておきましょう。
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