不動産を購入する際には、その土地がどんな地域地区に属しているのかを把握し、土地にかかる規制の内容などを確認しておく必要があります。
地域地区にはさまざまな種類がありますが、風致地区では建築をはじめとしたさまざまな行為に規制がかかるため、事前に内容を確認しておくことが重要です。
この記事では、風致地区の概要や規制の内容、風致地区の実例をご紹介します。
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土地を購入する前に知っておきたい風致地区とは
不動産の購入をご検討中の方のなかには、風致地区という言葉を聞いたことがあってもどのような地区なのか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
まずは、風致地区の概要をご紹介します。
風致地区とは
風致地区とは、都市の風致を維持するために定められる地域地区であり、都市計画法第8条第1項第7号で規定されています。
ここでの「都市の風致」とは、都市における自然的な要素に富んだ良好な自然的景観のことです。
景観が美しい場所のなかでも、都市でありながら水や緑などの自然によって美しい景観が形成されているエリアを指します。
都市環境の保全に向けて、これらのエリアの維持を目的に定められるのが風致地区です。
風致地区の大きな特徴が、都市の良好な自然的景観の維持を目的にしている点です。
良好な自然的景観の保護を目的とした法律には自然公園法がありますが、自然公園法は都市の外にある自然を対象としている点が風致地区とは異なります。
風致地区の指定
風致地区を指定するのは、都道府県または市町村です。
面積が10ha以上で、かつ2以上の区域にわたる風致地区は、都道府県または政令市が指定します。
一方、上記の条件に該当しない風致地区の場合は市町村が指定します。
風致地区に指定されたエリアでは、都道府県や政令市、市町村が都市の風致を維持するために必要な規制の制定が可能です。
規制の内容は風致政令に定められている基準に従う必要がありますが、具体的な制限の基準や内容は各地方公共団体が条例で定められます。
そのため、風致地区内の不動産を売買する際には、その不動産が属している地方公共団体が定めた条例の内容を確認することが重要です。
風致地区に該当しているか調べる方法
購入を検討している不動産が風致地区に該当しているかどうかは、各地方自治体のホームページから調べられます。
風致地区は令和4年3月31日時点で749地点が指定されていて、都市計画法で定める「地域地区」の21種類の分類の中でも一つです。
地方自治体のホームページでは風致地区以外の地域地区についても調べられるので、興味がある不動産が見つかったら地域地区に該当しているかどうかを確認してみると良いでしょう。
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風致地区内の土地における規制の内容
前述のとおり、風致地区における規制の内容は、風致政令にしたがって各地方公共団体が制定します。
地方公共団体が条例を定める際にしたがう風致政令では、規制行為の内容が一覧で示されていて、これらに該当する行為をする場合は許可が必要になると定められています。
風致地区内の不動産を売買する際には、どんな行為に規制がかかるのかを把握しておきましょう。
風致政令に定められている規制の内容についてご紹介します。
建築物に関する規制
風致地区内で建築物の建築や工作物の建設、増改築や移転をする場合は、あらかじめ都道府県知事もしくは市町村長の許可が必要です。
条例によっては、建ぺい率や高さ、壁面後退などの具体的な規制がおこなわれているケースがあるため、建物を建てる際にはその規制に従わなければなりません。
また、建築物・工作物などの色彩の変更をする場合も、都道府県知事もしくは市町村長の許可を受けたうえで色彩を変更する必要があります。
開発行為などに関する規制
風致地区での規制は建築物だけでなく、開発行為にもおよびます。
たとえば、宅地の造成や土地の開墾など、土地の形質を変更する際には都道府県知事もしくは市町村長の許可が必要です。
地方公共団体の条例によっては、宅地造成では適切な植栽などによる緑化率を守る必要があるなど、具体的な規制を設けているケースがあります。
また、水面の埋立てまたは干拓・木竹の伐採・土石などの採取や、屋外における土石、廃棄物または再生資源の堆積も同様に事前の許可が必要です。
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風致地区の土地にかかる規制の実例
風致地区内の土地では、建築物の建築や一定の開発行為などをおこなう際に許可が必要だと風致政令で定められています。
しかし、具体的な規制の内容は風致地区を指定する都道府県や政令市、市町村が決定するため、条例で個別に内容を確認しなければなりません。
代表的な風致地区として、京都府の鴨川や神奈川県の鎌倉などが挙げられます。
では、実際に風致地区に指定されている場所では、どのような規制が設けられているのでしょうか。
実際の風致地区で設けられている規制についてご紹介します。
風致地区の実例①:大阪府吹田市千里山
大阪府吹田市には、千里山西風致地区という名称の風致地区があります。
千里山は、イギリスの田園都市をモデルとして作られた日本最古の田園都市です。
現在の千里山には農村的景観は残っておらず、住宅が建ち並ぶ住宅街になっています。
しかし、かつての名残として噴水が残っていて、噴水を中心に全体を半環状に構成する設計が現在でも維持されているのが特徴です。
この千里山ならではの風致を守るために、千里山西風致地区では風致政令に定められている規制により細かい基準を設けています。
なかでも特徴的なのが、緑化率に関する規制があることです。
敷地面積に応じた緑化率が決められていて、敷地が500㎡未満の場合は緑化率が20%以上でなければなりません。
建物を新築する際には、植栽計画図を作成し、緑化率や基準植栽密度の計算過程、植栽する樹木の一覧表を提出する必要があります。
風致地区の実例②:大阪府堺市
大阪府堺市には、大仙風致地区と浜寺風致地区の2つの風致地区があります。
大仙風致地区は仁徳陵古墳や履中陵古墳があるエリア、浜寺風致地区は浜寺公園を中心としたエリアです。
大阪府堺市の風致地区では、建築物の新築・増改築・移転にとくに細かい基準が設けられています。
建物の高さは15m以下にしなければならないほか、建ぺい率を40%以下にしなければなりません。
さらに、壁面後退や建物の形態や意匠にくわえ、緑化率や基準植栽密度にも基準が設けられています。
風致地区の実例③:埼玉県さいたま市大宮区
さいたま市大宮区には、大宮風致地区があります。
大宮公園周辺と見沼田圃地域の一部が指定されていて、市街化区域と市街化調整区域が入り混じっているのが特徴です。
大宮風致地区でも、建物の高さなどの基準のほか、風致の維持に必要な植栽に関する基準が設けられています。
緑地の割合は敷地面積の10%以上を確保しなければならず、敷地内に高木と低木を一定の割合以上配置する必要があります。
植栽に関する基準は細かく定められているため、風致地区内では周囲の環境に十分配慮して開発行為を進めなければなりません。
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まとめ
風致地区とは、都市の良好な自然的景観を維持するために定められる地域地区です。
風致地区に指定されているエリアで建物の新築などをおこなう際には、都道府県知事もしくは市町村長の許可を受ける必要があります。
規制の具体的な内容は各地方公共団体が条例で定めているため、風致地区にある不動産を売買する際には条例で規制の内容を確認しておきましょう。
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シルバシティ スタッフブログ編集部
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