不動産を購入してしばらく経った頃に税務署から「お尋ね」を受け取り、不安に感じている方は多いでしょう。
基本的には具体的に返信をしないで放置しても法的にペナルティが生じるわけではありませんが、税務調査の対象になる可能性が高くなるため回答するのを推奨します。
本記事では、税務署から届くお尋ねとはなにかお伝えしたうえで、内容やどうするべきかについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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不動産購入後に税務署から届くお尋ねとはなに?
不動産購入後に税務署から「お買いになった資産の買い入れ価格などについてのお尋ね」と記載された文書を受け取るケースがありますが、大前提として税務調査とは異なります。
そもそも税務調査は、国税庁が管轄している組織・税務署などが納税者を定期的にチェックして正確に税務申告(確定申告)をしていない可能性がある人に対して裁判所の令状を用意して強制的に調査ができます。
脱税額が1億円を超えていると推測されたり脱税のための隠蔽工作が悪質であると判断されたりした場合には強制調査の対象になりやすく、令状が用意されているため拒否権はありません。
正確に納税していない納税者を炙り出す目的がある税務調査に対して、お尋ねは税務申告の内容に関する問い合わせが目的です。
文書のほかに電話形式でお尋ねを受けるケースもありますが、税務署側が申告内容に疑問を持った納税者・例年よりも経費が増加している納税者・不動産購入・建築をした納税者を対象にランダムで通知します。
税務調査は令状を発行したうえで実施されるもののため強制力がある一方で、お尋ねは令状は発行されないため法的な回答義務や強制力はありません。
つまり、お尋ねが通知されて回答せずに無視したところで税務官が直接自宅を訪問したり逮捕されたりする可能性はありません。
しかし、お尋ねを回答しないと税務調査の対象になる可能性が高まるため、やましい理由を隠すために意図的に無視したのであれば不信感を抱かれるきっかけになる点を理解しておきましょう。
わざわざ税務署から調査対象になるのを避けたいのであれば、お尋ねには回答するのをおすすめします。
税務署が個人に対してお尋ねを通知するようになった背景には、一般的な人よりも課税できる富裕層や納税義務を無視する無申告層からの徴収を徹底しようと力を入れていました。
不動産を購入する不動産投資家たちは、比較的富裕層に該当すると判断されるため不動産所得税をしっかりと徴収する目的でお尋ね通知の対象となっています。
さらに、知識不足により必要経費に含められない項目を計上して税金対策をしている不正も多く発覚しているため、注意喚起として通知しているとも言われています。
ちなみにお尋ねが通知されるタイミングとしては、不動産購入の他に売却時・不動産所得の変動が激しいときも含まれるのです。
とくに必要経費を計上した結果、不動産所得が急増した場合は「本来は計上できない項目を経費計上しているのでは?」と疑惑の目を向けられるため注意が必要です。
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不動産購入後に税務署から届くお尋ねの内容
不動産購入後に税務署から届くお尋ねの内容は、不動産の購入時期・購入価格・購入者の職業と年収・購入資金の調達手段などに対する回答が求められます。
基本的には簡単に回答できる項目ばかりですが、税務署がもっとも着目するポイントは購入資金の調達手段です。
たとえば5,000万円の中古マンションを購入した夫婦がいた場合、サラリーマンの夫と専業主婦の夫婦が共同所有として不動産取得登記されたタイミングでお尋ね文書が発行されます。
なぜなら、専業主婦で収入がないはずの妻が不動産購入資金をどのように捻出したのかが税務署側の疑惑ポイントになるからです。
妻が副業をしていて不動産を購入できるほどの収入があるのであれば確定申告が必要であり、収入がない事実は夫の提出する所得税申告の配偶者控除によって明記されているのが前提です。
つまり夫が持つ資産で不動産を購入した後に不動産取得登記を夫婦共同所有にするのであれば、夫が妻に不動産の持分2分の1を贈与したとして贈与税の課税対象につながります。
したがって、ここで通知されているお尋ねでは、夫が妻に対して贈与をした認識を持っているか、贈与税を支払う準備はできているかを確認するのが目的です。
ちなみに贈与扱いをしないとするのであれば、妻が独身自体に貯金したお金・住宅取得資金等の贈与特例を使って親から資金調達したなどの理由があればその旨を回答しましょう。
回答した内容に合理性があれば税務署から認めてもらえて、贈与税の課税対象にはなりません。
ただし、税金対策などでお尋ね通知を受けた際に非合理的な回答をしてしまった場合、税務署から日にち指定の税務調査の通知が届く可能性があります。
税務調査は強制力があるため、必ず期日内に税務署に出向くようにしましょう。
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不動産購入後に税務署からお尋ねが来た場合はどうする?
不動産購入後に税務署からお尋ねが来た場合にどうするかについては、質問に対して正確に回答するのが理想です。
すでにお伝えしているとおり、お尋ね通知は税務調査とは異なり強制力がないため、通知を無視しても罰則対象にはなりません。
ただし、無視した場合は得られなかった回答を税務署が独自に調査するため、何かしらの不審点があれば日程を指定して直接状況を説明するように要求される可能性が高まります。
不動産購入をしただけで節税対策などをしていないのであれば問題ありませんが、経費を計上したり共同所有にして調達資金元がよくわからなかったりする場合は注意しましょう。
とくに、不動産投資を始めたばかりや初めて不動産を購入した場合は、知識不足で間違った認識をしていると脱税しようとしたと判断されかねません。
そのため、お尋ねが来た時点で質問された内容には明確に答えられるような状況にしておくのが賢明です。
もし、税金対策などで疑問があれば税理士や弁護士に依頼をして、計上できる経費がどれになるのかを確認しておくとあとからトラブルになるリスクを軽減できます。
回答するときにもっとも注意するべきポイントは、矛盾を作らないようにする点です。
たとえばサラリーマンの夫と専業主婦の妻が不動産を共同所有として不動産取得登記した事実に対してお尋ねがあった場合、妻側の資金調達元が確認されます。
結婚する前に働いており貯金していた分を切り崩したと回答すれば不自然さはありませんが、不動産購入資金で夫婦それぞれが負担した割合と住宅の名義の割合は一致するようにしましょう。
夫婦の所有権を50%ずつ分配するのであれば、購入のために負担した金額も50%ずつに一致させなければ矛盾点としてチェックされてしまいます。
どうしても購入のために負担した割合と住宅名義の割合が一致しないのであれば、金銭消費貸借契約書を作成して多く払った側に返済していく形式を取る必要があります。
夫婦間で金銭の貸し借りをするのは不自然に見えるかもしれませんが、矛盾を解消するためには形式的であっても文書で証明するのが大切です。
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まとめ
不動産購入をした後には、税務署側からお尋ね通知が届く可能性がありますが、税務調査のように強制力があるわけではないため無視をしても罰則はありません。
ただし無視をすると税務調査の対象リストに入る可能性があるため、面倒な疑惑をかけられたくないのであれば正確に回答するのがおすすめです。
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シルバシティ スタッフブログ編集部
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