中古マンションの購入後、自分たち好みの間取りや内装にリノベーションがしたいと考える方は少なくありません。
しかし、中古マンションの構造によっては思いどおりのリノベーションを実現できないおそれがある点に注意が必要です。
そこで今回は、中古マンションによく見られる壁式構造とは何か、壁式構造の中古マンションにはどのようなメリットやデメリットがあるのかについて解説します。
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中古マンションによく見られる壁式構造とは?
一口にマンションといっても、その建物構造は「壁式構造」と「ラーメン構造」に大別されます。
中古マンション購入後のリノベーションを検討しているなら、壁式構造とラーメン構造の違いを押さえておくことが大切です。
ここでは、中古マンションによく見られる壁式構造の特徴とラーメン構造との違いについて見ていきましょう。
壁式構造の特徴とは?
壁式構造とは、鉄筋コンクリートの壁によって建物の重量を支える構造を指します。
空間は床・天井・4枚の壁で構成され、柱や梁などの「線」ではなく「面」で建物を支える点が特徴です。
ただし、壁自体に重みがあるため、高層マンションにはあまり採用されません。
壁式構造は、5階建て以下の鉄筋コンクリート造の低層マンションでよく用いられます。
また、柱や梁がないため、室内空間にすっきりとした印象を与えますが、大きな窓を設置することができないという特徴もあります。
壁式構造の中古マンションに多い旧耐震基準とは?
旧耐震基準とは、1981年5月31日までに建てられた建物に適用されていた地震に対する基準で、震度5程度の揺れでも損傷を受けないレベルの強度を示します。
1978年に発生した宮城県沖地震の被害を受けて法改正がおこなわれ、1981年6月1日以降に建てられた建物には「新耐震基準」が適用されるようになりました。
壁式構造は昭和40年代に広く用いられるようになった工法であり、多くの壁式構造の中古マンションは旧耐震基準に基づいています。
しかし、旧耐震基準だからといって地震に弱いわけではありません。
実際、壁で建物を支える壁式構造の中古マンションは耐震性能が高いとされています。
壁式構造とラーメン構造との違いとは?
壁式構造に対して、ラーメン構造は柱や梁で建物の重みを支える点に違いがあります。
ラーメンとは、ドイツ語で「枠」や「額縁」を意味する「Rahmen」に由来します。
ラーメン構造のマンションでは、壁式構造のように耐力壁を必要としないため、大きな窓を確保したり、比較的自由にレイアウトを設計したりすることが可能です。
壁式構造は主に低層マンションに用いられますが、ラーメン構造は一戸建てから高層マンションまで幅広く採用されています。
また、壁式構造とラーメン構造の違いは建物の間取り図で明確にわかります。
部屋のなかに柱が出っ張っている箇所がある中古マンションはラーメン構造であり、柱の出っ張りがなければ壁式構造である可能性が高いです。
そのほか、壁式構造では高い建物を建てるのが難しいため、6階建て以上の中古マンションにはラーメン構造が採用されています。
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壁式構造の中古マンションを購入するメリット
中古マンション購入後の後悔を防ぐには、壁式構造のメリットとデメリットを踏まえたうえで慎重に検討することが大切です。
ここでは、壁式構造の中古マンションを購入するメリットについて解説します。
メリット①地震に強い
壁式構造の中古マンションは、耐震性に優れているというメリットがあります。
一方、柱と梁で構成されているラーメン構造は耐力壁がないため、横からの地震の揺れに弱い傾向があります。
壁式構造は箱のような形状をしており、縦と横の両方向からの地震の揺れにも耐えられる強度を持っているのが特徴です。
実際、過去に阪神・淡路大震災が発生した際、壁式構造の中古マンションの多くは大きな被害を受けなかったとされています。
そのため、地震に強い中古マンションを購入したいと考えている方には、壁式構造の物件をおすすめします。
メリット②すっきりとした空間が現出される
ラーメン構造と比較すると、壁式構造の中古マンションには室内に柱や梁が出っ張らない特徴があります。
そのため、部屋がすっきりと見えるだけでなく、より有効に活用できるというメリットがあります。
柱や梁の出っ張りがあると家具の配置に苦労することがありますが、壁式構造の中古マンションでは、自分好みの家具を自在に設置することが可能です。
部屋をまっすぐに利用できる点も、ラーメン構造にはない壁式構造の中古マンションならではのメリットです。
部屋をより有効活用したいと考えている方には、壁式構造の中古マンションが適しています。
メリット③断熱性や防音性も高い
耐力壁が厚みを持つ壁式構造には、断熱性能に優れているというメリットがあります。
そのため、室内の冷暖房効率が良く、電気代の節約にもつながります。
また、壁式構造の中古マンションは防音性にも優れており、生活音に関するトラブルの心配が少ないです。
自分たちが出す音で隣人に迷惑をかけたくない、または隣人の生活音を気にせずに暮らしたいと考えている方には、壁式構造の中古マンションが最適です。
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壁式構造の中古マンションを購入するデメリット
壁式構造の中古マンションには多くのメリットがある一方で、デメリットが潜んでいるのも事実です。
壁式構造の中古マンションを購入する前には、デメリットが許容できるかどうかを確認しておきましょう。
ここでは、壁式構造の中古マンションを購入するデメリットを解説します。
デメリット①リノベーションが制限される
壁式構造は耐力壁で建物を支えるため、原則として壁の撤去はできません。
そのため、中古マンション購入後にリノベーションで間取りを変更したい場合、実現できない可能性があります。
ただし、軽鉄ボードで簡易的に造られている壁は取り除くことができるため、購入前にどこまで間取りの変更が可能かを確認しておくことが、後悔を防ぐために重要です。
デメリット②窓の数や大きさが制限される
壁式構造の中古マンションでは、耐力壁が撤去できないため、リノベーションによって窓の数を増やしたり、窓を大きくしたりすることが難しいのが実情です。
たとえば、明るく開放的なリビングを作りたい場合でも、既存の窓を作り替えるのは困難であり、妥協を強いられることがあります。
そのため、部屋の明るさを重視するなら、壁式構造よりもラーメン構造の中古マンションの方がリノベーションの自由度が高く、適しています。
デメリット③ドアの数や大きさが制限される
窓だけでなく、ドアの数や大きさも壁式構造では制限される点がデメリットです。
たとえば、新たにドアを設置するには壁を壊す必要がありますが、壁式構造ではそれができません。
また、既存のドアを一回り大きくすることも困難です。
そのため、壁式構造の中古マンションを購入する際には、既存の状態でどこまで理想の生活が実現できるかをしっかりとシミュレーションすることが重要です。
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まとめ
壁式構造とは耐力壁で建物の重みを支える造りであり、おもに低層マンションに用いられています。
壁式構造の中古マンションには耐震性や断熱性、防音性が高い、室内に柱や梁の出っ張りがなくすっきりとした空間が現出されているなどのメリットがあります。
一方で、耐力壁を撤去できずに間取りを自由に変更できないなどのデメリットがあるため、購入前にはどこまでリノベーションが可能かを確認しておくことが大切です。
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シルバシティ スタッフブログ編集部
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