日本は、自然災害の多い国です。
いつどこで大災害が起こるかはわかりませんが、被害を最小限にするために、危険性の高い土地には制限が加えられています。
マイホームを建築するために、できる限り安全な土地を購入したいと考えている方は多いことでしょう。
そこで今回は、土地を購入する前に確認しておきたい「災害危険区域」について解説します。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
目黒区の売買土地一覧へ進む
土地を購入するなら知っておきたい「災害危険区域」とは
災害危険区域とは、津波・高潮・出水などで大きな被害を受ける可能性がある地域のことです。
災害危険区域に指定された土地では、居住用不動産の新築や増改築、建て替えに制限が加えられます。
2023年4月の時点で災害危険区域に指定されているのは、全国で22,141か所、総面積58,837haです。
指定理由の内訳は、多いものから順に土砂災害(18,520か所・28,593ha)、津波・高潮(3,306か所・22,671ha)、氾濫(304か所・7,506ha)、その他(11か所・67ha)となっています。
「その他」に含まれる災害は、地盤変動・泥流・噴石などです。
災害危険区域に指定される条件とは
災害危険区域は、建築基準法第39条を根拠条文としています。
災害危険区域を指定するのは、地方公共団体(都道府県)です。
建築基準法第39条にしたがって都道府県が地域に合わせた条例を定め、条例内の条件に合致した地域を災害危険区域に指定します。
そのため、災害危険区域に指定される条件は全国一律ではありません。
しかし基本的には、「津波・高潮・出水の危険性が高い地域であること」や「土砂災害が起こりやすい急傾斜地であること」が指定条件となっています。
災害危険区域に指定されやすいのは、過去に甚大な被害が発生したことがあり、将来再び発生するおそれのある土地です。
2011年の東日本大震災のあと、岩手県・宮城県・福島県の被災地のうち、再び被害が生じる可能性のある37市町村が災害危険区域に指定されました。
災害危険区域に指定された土地はどうなる?
災害危険区域に指定された土地では、居住用不動産の新築・増改築・建て替えが制限されます。
ただし、自治体によっては条件を満たせば建築できる可能性もあるため、くわしくは土地を購入予定の都道府県の条例をご確認ください。
災害危険区域の制限はあくまでも居住用不動産が対象であり、事務所や倉庫などの居住用以外の不動産は対象ではありません。
たとえば、東日本大震災によって災害危険区域に指定された土地には、太陽光発電施設や公園、水産加工場などの居住用以外の施設が整備されています。
一方、災害危険区域に指定される前に建築された居住用不動産を購入する場合、そこに住むことは可能です。
ただし築年数が古くなったとしても、増改築や建て替えはできません。
万が一、土地を購入したあとに災害危険区域に指定された場合は、そのまま住み続けるか、転居(移転)するかを選ぶことになります。
移転する場合は「防災集団移転促進事業」の助成を受けられる可能性があるため、経済的な負担が軽減されるでしょう。
移転促進区域と防災集団移転促進事業については、次章で解説します。
▼この記事も読まれています
不動産における地番とは?調べる方法や公図についても解説
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
目黒区の売買土地一覧へ進む
災害危険区域のなかでも移転を促される土地とは?
災害危険区域のなかでもとくに危険性が高く、居住に適さないと認められる土地は、移転促進区域に指定されます。
名称のとおり、地方自治体が住民の移転を促進する区域です。
災害が発生した地域や災害危険区域であり、なおかつ「住民の生命、身体および財産を災害から保護するため住居の集団的移転を促進することが適当であると認められる」と、移転促進区域に指定されます。
ただし、移転促進区域に指定されたからといって、すぐさま強引に移転させられるわけではありません。
地方自治体は「住民の意向を尊重すること」「区域内の全住居が移転できるようにすること」の2点に配慮して移転を促進するよう定められています。
移転の際に受けられる助成の種類とは
移転促進地域から移転する際には、「防災集団移転促進事業」によって各種助成を受けられます。
この事業は、昭和47年に施行された「防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律」に基づいています。
防災集団移転促進事業による助成の対象となるのは、以下の6つです。
●住宅団地の用地取得造成
●移転者の住宅建設・土地購入に対する補助
●住宅団地の公共施設の整備
●移転促進区域内の農地などの買い取り
●住宅団地内の共同作業所など
●移転者の住居の移転に対する補助
上記には事業者への助成も含まれており、移転者に対する助成は「移転者の住宅建設・土地購入に対する補助」と「移転者の住居の移転に対する補助」となっています。
たとえば、移転のために以前の住居から新居に家具を運搬したり、以前の住居を解体したりする費用は助成の対象です。
また、自治体が用意した住宅団地を移転希望者へ譲渡したり、貸し出したりといった助成もおこなっています。
土地を購入後、近隣で農林水産業などに従事する予定の方は、仕事に関する自治体の助成も確認しておくと良いでしょう。
自治体によっては、区域内の農地などを買い取る、移転先でも仕事を継続できるよう住宅団地内に共同作業所を設けると定めていることもあります。
「防災集団移転促進事業」や関連する特例については、災害危険区域と同様に自治体ごとに内容が異なるため、くわしくは自治体にご確認ください。
▼この記事も読まれています
コンドミニアムとは?魅力を分析!日本の高級マンションとの違い
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
目黒区の売買土地一覧へ進む
災害危険区域の土地が指定を解除される可能性はあるのか
災害危険区域に指定されると、居住用の土地としての利用が大幅に制限されるため、土地の価値が下がります。
不動産売買においても、安値での取引となるでしょう。
災害危険区域に指定されている土地を安く購入し、解除後に制限なく家を建てたいと考えている方もいるかもしれません。
しかし災害危険区域への指定は、将来的な被害を予防するためのものです。
災害はいつ発生するかわからないため、災害危険区域の指定が解除されることはありません。
災害危険区域の調べ方
災害危険区域にある土地は、永続的に居住用の土地としての利用を制限されます。
そのため、購入を希望するエリアが災害危険区域に該当するかどうかを事前に調べておくと安心です。
災害危険区域を指定するのは都道府県ですが、指定区域図面の取り扱いなどは基本的には市区町村が担っています。
災害危険区域の有無や場所を知りたい場合は、市区町村役場の窓口に確認すると良いでしょう。
パソコンやスマートフォンなどで「災害危険区域 ○○市」と検索すると、情報が見つかることもあります。
ただし災害危険区域に指定された土地を購入する際には、不動産会社による重要事項説明において、その説明がなされます。
そのため、災害危険区域に指定されていると知らずに土地を購入してしまうおそれはありません。
災害危険区域にマイホームを建てるとどうなる?
先ほどご説明したとおり、災害危険区域の指定前に建てたマイホームには住み続けられます。
ただし、増改築や建て替えはできません。
一方、災害危険区域に指定されたあとに条例にしたがわない場合は、処罰される可能性があります。
建築基準法で定められている罰則は、「罰金50万円以下」です。
また、自治体によっては自治体独自の条例違反として、処罰対象となる可能性もあります。
▼この記事も読まれています
こどもエコすまい支援事業とは?新築一戸建ての申請の流れや注意点を解説
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
目黒区の売買土地一覧へ進む
まとめ
災害危険区域とは、津波・高潮・出水などで大きな被害を受ける可能性がある地域のことです。
災害危険区域に指定されると、居住用の不動産の建築・増改築・建て替えが大きく制限されます。
とくに危険性が高い地域は移転促進地域に指定され、移転する場合は助成を受けられます。
災害危険区域に指定された土地が解除されることはないため、購入前によく確認しておきましょう。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
目黒区の売買土地一覧へ進む
シルバシティ スタッフブログ編集部
ファミリー向けの土地・一戸建てをお探しでしたら、【公式】株式会社シルバシティにおまかせください!弊社では、目黒区・渋谷区を中心に世田谷区や港区の不動産情報も豊富にご紹介しております。ブログでも不動産に関するコンテンツをご提供します。